裏アジア紀行
- 作者: クーロン黒沢
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2005/12
- メディア: 文庫
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「裏アジア紀行」を読んだ。
古本屋で見た瞬間にビビっと来た。直感は当たりとても面白い本だった。
先見の明を信じてアジアで日本料理屋を開店したおとなしかった青年が、地元民の奔放さやあまりのハチャメチャさから、少しずつ狂っていき、銃を店に常備するようになって、本格的にギアが変わってしまったり、どこのアジアの役人も役人という立場を利用して悪行の限りを尽くしていたりする。その様子を軽いタッチの文章で書くから、クスリと笑うことこそすれ怒りを覚えることなどないのが不思議だ。抗うことの出来ない不正だけど、すごく単純で驚くほど悪気がないからなのだろう。
悲惨なエピソードが続くが読み終わった後は不思議にアジアを旅してみたくなる1冊。